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生成AIでサイトを作る人にこそ知ってほしい「バージョン管理」——「前の状態に戻したい」から解放される

生成AIのおかげで、エンジニアでなくてもWebページが作れるようになりました。ところが実際に運用を始めると、こんな悩みが出てきます。

  • 「昨日の状態に戻したいのに、戻せない」
  • 「AIに修正を頼んだら、関係ないところまで変わってしまった。どこが変わったのか分からない」
  • 「フォルダが lp_final.html、lp_final_v2.html、lp_final_v2_最新.html で埋まっていく」

これらは全部、バージョン管理という仕組みで解決済みの問題です。エンジニアの世界では何十年も前から当たり前に使われているのに、AIでサイトを作り始めた非エンジニアの方にはほとんど知られていません。この記事では、Gitの詳しい使い方ではなく「こういう仕組みがあって、これを使うとこの悩みから解放される」という全体像を紹介します。

バージョン管理とは:ファイルの「セーブポイント」

バージョン管理とは、ファイルの変更履歴を記録していく仕組みです。ゲームのセーブポイントをイメージしてください。区切りの良いところで「セーブ」(Gitではコミットと呼びます)しておけば、いつでもその時点に戻れます。

代表的な仕組みがGitで、それをブラウザ上で使いやすくしたサービスがGitHubGitLabです。無料で始められます。ファイルの置き場(リポジトリと呼びます)を作って、そこにサイトのファイル一式を入れて管理する、というのが基本の形です。

何から解放されるのか

「戻したい」に3秒で応えられる

セーブポイントごとに全ファイルの状態が残っているので、「先週の状態に戻す」「この変更だけ取り消す」が自由にできます。final_v2_最新.htmlのようなコピーファイル管理は不要になります。

before/afterの差分が一目で見える

「どこが変わったのか」を行単位で表示してくれます(削除された行は赤、追加された行は緑)。AIに修正を頼んだあと、意図しない場所が変わっていないかをこの差分表示で確認する——これはAI時代にこそ効く使い方です。

「いつ・誰が・なぜ変えたか」が履歴に残る

コミットには日時とメモが付きます。「料金改定に合わせて価格表を更新」といった履歴が積み上がっていくので、あとから経緯を追えますし、担当が変わっても引き継げます。履歴はそのまま会社の資産になります。

依頼と対応の流れが整理される(Issue / プルリクエスト)

GitHubにはIssueという機能があります。修正依頼や要望を1件ずつチケットとして書いておける、依頼票のようなものです。チャットだと流れてしまう「あそこ直しておいて」が、仕様・経緯・完了状態つきで管理できます。

変更する側はプルリクエスト(PR)という形で「この変更を反映していい?」という提案を出し、差分を確認してから反映します。いきなり本番が書き換わらない、というのが安心ポイントです。

そしてここがAI時代の面白いところで、最近のAIコーディングツールには「Issueに書かれた依頼を読んで、対応して、PRを作る」という流れをこなせるものが増えています。詳細な依頼仕様をIssueに書く→AIが対応してPRを出す→人間が差分を確認して反映。非エンジニアでも回せる開発フローが現実になりつつあります。

公開作業まで自動化できる(GitHub Actions)

GitHubにはActionsという自動化の仕組みがあり、「変更を反映したら自動でテストして公開」まで組めます。また、以前紹介したNetlifyやCloudflare PagesなどのホスティングサービスはGitHub連携が基本で、リポジトリを繋いでおけば変更を反映した瞬間に本番サイトも自動更新されます。「修正のたびにファイルをアップロードし直す」作業から解放されます。

非エンジニアでも大丈夫?

コマンド操作のイメージが強いGitですが、今は黒い画面なしで使えます。GitHub Desktopのような公式GUIアプリがありますし、ブラウザ上のGitHubだけでもファイルの編集・履歴の確認はできます。分からない操作はAIに聞けば手順を教えてくれるので、学習ハードルはかなり下がっています。そもそもv0やLovableのようなAIサイト作成サービスの多くは、裏側でこのバージョン管理の仕組みを使っています。それだけ標準的な仕組みだということです。

始め方はこの3ステップ

  1. GitHubの無料アカウントを作る
  2. リポジトリを作り、サイトのファイル一式を入れる(非公開=Privateに設定
  3. 変更したら、区切りごとにメモ付きでコミットする習慣をつける

ひとつだけ注意点があります。リポジトリを公開(Public)設定にすると、中身は世界中の誰でも見られます。APIキー、パスワード、顧客情報などをファイルに書いたままアップロードする事故が実際によく起きています。迷ったらPrivateにしておきましょう。生成AIを業務で使う際の安全対策全般は「生成AIを安全に業務で使うには?中小企業がまずやるべき3つのこと」にまとめています。

まとめ

生成AIで「作る」が簡単になった今、次に効くのは「壊れても戻れる」「変更が見える」「依頼が流れない」という運用の土台です。バージョン管理はエンジニア専用の道具ではなく、AIでものづくりを始めたすべての人の安全装置になりつつあります。

「AIでサイトは作れたけど、この先の運用をどう整えればいいか分からない」という方は、環境づくりからお手伝いできますのでお気軽にご相談ください。

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